老人ホームに入所した場合の小規模宅地等の特例改正 - 中央区 税理士

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老人ホームに入所した場合の小規模宅地等の特例改正

2013/02/10

H25の税制改正では相続税の税率が引き上げられたり、基礎控除(相続税が無税となる上限額)が引き下げられたりと実質的な増税がおりこまれています。

しかし、相続税を大きく減額する小規模宅地等の特例にも改正が入りました。

 

小規模宅地等の特例とは、次の3種類の土地の評価額を20%の評価にするというものです。

つまり、1億円の評価額の土地が要件を満たせば2千万円で評価することができるのです。

 

では、その3種類の土地とは、、、

①事業用の土地

個人事業や自身の会社で使用している土地を指します。軌道にのっている家族経営の事業や同族会社では引き続き事業を承継していきたいはずです。そんな時、創始者の事業用の土地を相続したことによる相続税で資金ショートしてしまっては、日本の経済は減退するばかりなので事業継続を配慮した特例です。

②居住用の土地

親世代であればほとんどの家庭でマイホームを購入されているかと思います。きっと、親の老後は介護や看病で同居している家族も少なくないでしょう。そんな思い入れもあり、必要不可欠である住居に対して大きな相続税の負担をさせることは酷であることから特例が規定されています。

③貸付事業用の土地

老後の資金として不動産投資している親御さんも多いのではないでしょうか。また、バブル時には相続税対策と不労所得で流行った様ですが、最近は空室も目立つとちらほら耳にします。

そんな土地を相続されることで賃貸収入よりはるかに上回る相続税を課せられることも想定されます。

そんな相続人の負担を軽減するために特例が設けられています。

 

さて、今回改正の入った土地は②です。

小規模宅地等の特例を受けるための要件は土地の種類によって異なりますが、②は特例の趣旨から「被相続人の居住の用に供していた土地であること」とされています。

この「居住の用に供される」の解釈にあたって、老人ホームの取り扱いがここ数年話題となっていました。

現行法では国税庁の質疑応答で4つの要件を満たした場合は、老人ホームに入所していても「居住の用に供している」と認められています。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/sozoku/10/07.htm

 

なお、4つの要件とは、

①介護を受ける必要があるため入所していること

②入所後の自宅がいつでも戻って生活ができる状態であること

③入所後の自宅を他人へ貸付ていないこと

④その老人ホームの所有権や終身利用権が取得されたものでないこと

とされています。

 

ただ、現状の老人ホームは④に引っかかってしまうものが多く、小規模宅地等の特例が使えず多額の相続税が発生してしまうことが多々あったようです。実際に立法趣旨から外れているのではないか?ということで裁判も起こされていましたが、国税庁が勝訴しています。

 

前置きが長くなりましたが、その老人ホームの取り扱いについて要件が緩和されたのです。

具体的には①と③だけになったのです。

この改正はH26.1.1以降に発生した相続について適用されます。

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