相続により取得した非上場株式を発行会社に譲渡した場合 - 中央区 税理士

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相続により取得した非上場株式を発行会社に譲渡した場合

2013/01/22

<初めに>

個人が株式をその発行会社に譲渡した場合(市場を介する取引は除かれます)には、通常、譲渡所得だけではなく、配当所得が発生する可能性があります。

会社が自己株式を取得した際には、その譲渡対価を株式の譲渡対価部分とみなし配当部分にわける必要があり、みなし配当に該当する部分については源泉徴収を行うこととなります。

このみなし配当に該当する金額とは、譲渡対価から、会社の資本金等の額のうち買い入れた自己株式に対応する部分の金額を超える金額となっております。

さて、個人側で考えますと、株式の譲渡所得であれば分離課税のため、その譲渡対価から取得費を差し引いた金額に所得税15%及び住民税5%が課されるのみとなりますが、配当部分がある場合には、配当は総合課税となるため、最高で所得税40%及び住民税10%が課されることとなります(配当控除は考慮していません)。


<相続により取得した場合>
では相続により、父親の興した会社を受け継ぐために、その会社の株式を相続した場合はどうなるでしょうか。

相続が発生して一番頭を悩ませるのは、やはり納税資金の確保です。

なぜなら、相続するものは土地や株式などがメインでそれに対する現金は僅かだからです。

当然潤沢な貯蓄がない限り、受け継ぐ現金が無ければ納税は難しくなります。

そこで、相続した株式をその発行会社へ売却することで納税資金を確保する場合があります。

仮に自分が100%の保有割合で受け継いだ会社であれば、その会社へ自己株買いをさせても自分の議決権は変わることがありません。

それではこのケースでもみなし配当が発生し所得・住民で計50%の税金が取られてしまうのか。

答えはNoです。

所得税には特例が用意されており、相続の開始があった日の翌日から相続税の申告書の提出期限の翌日以後3年を経過する日までの間に、相続の対象となった非上場株式を発行会社へ売却した場合には、みなし配当は生じず、その譲渡対価の全てが譲渡所得の対象になるとされています。

この特例を適用することで50%の課税は避けることができますが、その譲渡日までに税務当局へ届出を提出することが要件とされていますのでご注意ください。

<相続があった場合の譲渡所得の計算>
では譲渡所得はどのように計算されるのか。

上記にも記載した通り、譲渡対価から取得費及び売却に要した費用を控除して算定します。

この取得費ですが、ここにも相続があった場合には特例が設けられております。

それは、支払った相続税のうち、その非上場株式に対応する税額を取得費に加算することができるというものです。

こちらについても無条件に認められているわけではなく、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡した場合にのみ適用があるので、譲渡の時期にはご注意ください。


これらの特例について見逃している方を多くお見かけするので、相続によって非上場株式を取得した場合には損をしないようお気を付け下さい。

 

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