横領と税金 - 中央区 税理士

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横領と税金

2013/02/22

<初めに>
中小企業で経理が杜撰または顧問税理士が残念な会社は、知らぬ間に横領されていた、なんてことが本当に良く起こり得ります。
会社が横領被害にあった場合、税金がどのように関係してくるのか。
主には付帯税の話が発生します。

<横領による付帯税>
具体的には、横領があり会社の課税所得が少なくなっていた金額に対して「重加算税35%」が課されることとなります。ただし、これは隠蔽や仮装など悪質な手法で税を逃れた場合に課されるのが主旨ということもあり、会社が、全く知らず関与していない場合には課されません。
しかしこの重加算税、、私の経験上でも税務当局は何らかの理由をつけて頻繁にかけてきます。もちろん経営者側が意図していなかったと言っても聞く耳はもちませんので、何事においても十分な書類整備が必要不可欠です。

<社長の横領>
さて、話はそれましたが、上記について社長自らが横領するケースを考えてみましょう。
この場合一般的には社長への賞与と認定され法人側では、横領した金額に対して法人税、源泉もれ、地方税及び元の経理内容によっては消費税が追徴の対象となり、この追徴額に対してさらに重加算税、重加算金及び延滞税、延滞金が課されます。
さらに社長自身に対しても、当然横領した収入を申告していなかったでしょうから「所得税、住民税、延滞税、過少申告加算税」などがかかり、これでもか、という追徴の嵐。
仮に1千万横領したならば、法人税だけでも本税の追徴300万円(1,000×30%)、加えて重加算税の105万円(300×35%)の合計405万円の納付です。つまりこの横領による合計被害額は1,405万円になるわけです。

<従業員の横領>
従業員の横領については諸説あります。会社が知っていて法人の行為として横領が行われたと認定される場合、完全に個人として行った行為と認定される場合。
前者の場合にはその従業員への給与となり源泉漏れ、従業員でも所得税のもれとなります。
しかし後者の場合には給与ではなく、法人の知らぬところで行われた損害のため横領損失として源泉の対象とならないことも過去の判例ででています。

しかし実際の中小企業の現場で多いのは従業員の横領を社長が黙認していた場合。

この場合には社長の例のように、横領が判明するとその個人には所得税がかかります。
ただ、その個人がデキル営業マンでお客様との接待費用としてお金を引き出していた場合。
その交際費の精算をきちんとしていれば交際費として会社の損金にして終わりですが、精算していない場合(その営業マンが交際費と自分のポケットマネーとしていた場合など)は、交際費として説明がつく部分以外は、その個人への給与としてその営業マンへ課税されます。
ただ、中小企業でデキル営業マンは大切な存在。給与課税されてしまい、その社員が会社を辞めては困るということで、税務署から指摘された時に「売上の計上もれでした」とその分を会社がかぶる方もいらっしゃいます。しかし、これも重加算税の対象となってしまいます。

<損害賠償請求権>
上記のように横領があり、賞与•給与•横領損失と認定される一方で、法人は損害賠償請求権を取得すると見るむきもあるようです。
この場合には、その損害が確定した日に請求権の資産計上(収益認識)が必要となり、損金と収益が両建てとなってしまいます(役員賞与の場合、ダブルで課税所得)。

いずれにしても、社員との信頼関係はとても大切です。やはりお金の面では社長がガッチリ把握していないと、上記の通り数々のトラブルの元になるのでご注意ください。

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